気まぐれな商売人が平穏に暮らす庵…涼風庵の宣伝もある。
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雷鳴が轟く山 ~その2~
2008-11-16 Sun 11:36

愛馬に揺られ田舎道を進んでいくと、見えてきたのは木造平屋の家屋。
正面には手入れの行き届いた家。
右側には玄関に「新堀流」の看板がかけられた建物。
左側には崩れかけた家屋。
3軒の真ん中には庭。

順に言うと、爺ちゃんの家・道場・オレの生まれた家。
そんな感じだな。
とはいえ、爺ちゃんの家は伯母さんが住んでるだろうし、道場も現当主の伯母さんのもの。
崩れかけた家は…ん?
オレのものになるのかな。
ガキの頃に両親を亡くしてからは爺ちゃんの家で暮らしてたからな…誰も使ってない筈だし。
ってか、取り壊せば良いのにね。

つまり…オレの帰る場所なんて無いじゃんw
よし、一件落着だ♪

「さぁ、帰るk」
ヒュンって風を切る音が聞こえたのは、その時だ。
頬をかすめたソレは、後ろの木に突き刺さる。
「こ、小太刀!?」
オレの左頬に一筋の線が入り、血が滲む。
「顔が、オレの美しい顔があああああああっ!!」
日頃の習性でやっちゃった訳だが…
そんな状況じゃないかも知れない、と思い改めて顔を上げる。

そこには一人の女性が立っていた。
着物姿の女性。
年の頃は30代半ばに見える。
長羽織を纏ったその姿は、どっかで見た記憶が…と考えるまでもなく伯母さんだ。
しかし、親父のお姉さんだったよな?
親父が生きてりゃ45くらいだから、どう考えても50前だとは思うんだが…

「よくもまぁ、戻ってこれたものですね」
開口一番、それはないでしょ伯母さん。
「いや、帰って来いって伯母さんが…」
「口答えですか」
事実ですし…
「帰郷の挨拶もなく、しかも馬上から目上の者と会話するなど」
慌てて下馬します。
だって、伯母さんが小太刀構えてキラッと目を輝かせたんですもの。

「アズマ・シンボリ、ただいま戻りました」
「………」
返事が無い。
どこが気に入らないんだろ?
「あなた、雰囲気が変わりましたね」
「そうっスか?」
「ヘラヘラしない!」
ドカッと、太ももに衝撃が…
蹴ったよね?
伯母さん今、蹴ったよね?
「昔はあんなに真面目で素直な子だったのに…」
「暴力で支配してたんじゃね?w」
「それが、こんなチャラチャラした軽い男になるなんて」
失敬な!
真面目な色男だっての!
「なら、言わせてもらうけど…」
今度はこっちの番だ。
「50前の伯母さんがピンクの着物に紫の羽織、おまけに帯びは赤って…年齢考えろよ」
プチっと何かが切れた。
えぇ、オレじゃないです。
伯母さんが、ですね。
ヒクっと顔が引きつり青筋浮かんでます。
手にした小太刀に力を込めて構える姿に、気圧されそうになるが…
オレだって修羅場は潜って来た訳ですよ。
刀に手を伸ばし抜刀体勢。
「いいでしょう、道場で相手してあげましょう」


その様子を陰で窺う男が一人。
「これは長くなりそうですね~」

                               その3に続く

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